メリーメリークリスマス 1



1、リナリー(秋のコンサが終わったのに、相変わらず兄さん達、
       アレン君べったりなんだから。
       クリスマスの事を相談しないといけないのに困っちゃう。
       アレン君の誕生日の事もあるのになぁ)
  



2,リナリー「あら、神田も聞きに来てたの?
       やっぱりアレン君てば凄いもんねー。
       バイオリンが専科なのに、あれだけ弾けるなんて。
       仲が悪いくせに、気になっちゃうんでしょ?」
  神田  「お前といい、ラビといい、何で仲がいいとか悪いとか、
       気にするんだ?
       んな事どーでもいい。
       俺はただ気に入らないだけだ。あいつの音が」
  リナリー「何処が?」
  神田  「何だろうな。あいつ、冬が嫌いなんじゃねぇかと思う」
  リナリー「え? どうして? 綺麗な音だけど」
  神田  「そうか? あいつは音遊びをしてるだけだ。
       風で音が飛び散らされてるみてぇだ。
       前からそういう所があったが、冬になって一気にひどくなった」
  リナリー「そうかなぁ」



3,リナリー(私はステキに聞こえるけどな。
       叙情的で、思い入れたっぷりで、技術も高いし。
       
       ラビと一緒になって神田もいい感じになってきてるし、
       これでアレン君と和解してくれると最高なんだけどな。
       やっぱり冷たい空気があるってヤダもんね。
       クリスマスをきっかけに何か出来ないかなぁ。
       ラビと相談してみようっと。
       後、アレン君が欲しいものも聞き出さなくちゃ)



4,ラビ 「なぁ、アレンてばクリスマスが誕生日だって?」
  アレン「ええ、まぁ」
  ラビ 「かっこいいじゃん、聖夜なんて」
  アレン「そうかなぁ。クリスマスと誕生日を一緒くたにされるんで、
      余りいいとは思いませんけど」
  ラビ 「でも、絶対忘れないと思うなぁ、クリスマスなんて。
      でさ、アレン。欲しいもんある?」
  アレン「んーー、特にないです」
  ラビ 「そんな事ないしょ? 誰だって欲しいもんあるじゃん」
  アレン「ごめんなさい。ホントにないんです」
  ラビ 「えー。じゃさ、クリスマス、いや、誕生日までに何か
      考えといて」
  アレン「…ごめんね、ラビ。ダメなんです、僕…」
  ラビ 「え?」

5,コムイ「あー。アレン君、自習中にゴメンねぇ。
      リナリーに聞いたんだけど、君、もうすぐ誕生日だって?
      うちじゃ、いつも少数の招待客集めてクリスマスコンサ
      やるんだけどさ。
      一緒に君のお祝いもしようと思ってね。
      何か希望はあるかい?」
  アレン「そうですねー」

  ラビ (もうー、コムイったら間が悪いさー)

6,アレン「僕、ご馳走が食べられたら嬉しいです」
  コムイ「オッケーオッケー! 最高の料理出しちゃうよ。
      だから、来賓客の為に一曲弾いてくんないかな〜?
      できれば、2曲とか3曲とか」
  アレン「はぁ?」
  コムイ「やっぱり、コンサ優勝者の演奏を皆様聴いてみたいと思うんだー。
      僕としても鼻が高いしねー。
      短いのでいいから、何曲かやってくんないかな?
      もちろん、無理にとは言わないけどさー。
      けど、もう結構有名なんだよねー、君の事。
      業界って狭いでしょ?」
  アレン 「はぁ」

7,ラビ 「あーあ。欲がないのも考えもんさー(笑)」
  アレン「仕方ないでしょ。特待生なんだし、やっぱりコムイさん、
      学長なんだから」
  ラビ 「ま、アレンなら大丈夫と思うけど。
      でさ、さっきの続き。プレゼントが何でダメなん?」
  アレン「…あのね、ラビ。僕、願を掛けてるんです。
      欲しいもの全部我慢したら、願いがかなうようにって。
      だから、僕、それがかなうまで何も欲しがらないって
      決めたんです」
  ラビ 「全部ってのは随分大袈裟じゃん。
      じゃ、どうしても欲しいものがあったらどうすんの?」
  アレン「僕が望んでるのはね、ホントにこれ以上欲しいものは他にないんです。
      だから、その為なら何もいらないんです」
 


8,ラビ 「変なのー。
      じゃ、ペンシルとか壊れて新しいのが欲しくなったら
      どーすんの? 携帯の新機種は?」
  アレン「その時は何も考えないで適当なの掴むんです。
      外れが出ても我慢する」
  ラビ 「そんでいい訳?」
  アレン「使えればいいんで、仕方ないやって」
  ラビ 「ふーーーーん」
     (こりゃ、手強いな…)



9,神田 「お前、アレンと何、話し込んでたんだよ」
  ラビ 「へへー、嫉妬したさ、ユウ?」
  神田 「誰がお前ら何かに…。
      だから、何話してたんだよ」
  ラビ 「なーいしょ」
  神田 「……。あー、そーかー。
      じゃ、いい」
  ラビ 「うっそ。ホントは……あれ? ユ、ユウ!?
      いないさ!! もうすぐ行動に移すんだからー!」

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