「ハロウィーン・パーティ」3

1,クロス「スナックとミネラルウォーター、炭酸水もいるな」
  アレン「杏人豆腐も作りたいんで、その果物の缶詰も取って下さい」
  クロス「お前、そんなのも作れるのか」
  アレン「お陰様で師匠の出張が多いので、暇つぶしに色々。
      近所の中華レストランのシェフとちょっと仲良くなったんです」

  クロス「ほー、そりゃ有意義な過ごし方だな。
      その割に食卓にそういうものが並ぶ事はないようだが」
  アレン「師匠が甘い物がお望みなら。
      いっつも家に真っ直ぐ帰ってきて下さるなら、作って差し上げますよ?
      僕だって、辛目のつまみばっかり作らされるの飽き飽きですから」
  クロス「生意気言ってんじゃねー」(頬を摘む)
  アレン「ひたたたた」

2,アレン「クラッカーと袋菓子はここですね」
  クロス「こういうのは結構消費するから多めに買っておけ。
      チョコは酒に合うから、ダースで買うか」
  アレン「はい…あの、そのクッキーとキャンディもいいですか?
      近所の子供にも配らないと」
  クロス「…ふっ」
  アレン「ち、違いますって。僕が食べたいんじゃありません///」
  クロス「別にダメとは言ってない」
  アレン「じゃ、笑わないで下さい」
  クロス「別に笑ってない。あくまで子供の分だろ?」



3,アレン「…何か引っかかるな」
  クロス「拗ねるな」
  アレン「拗ねてません。師匠だって、アレ嫌、これ嫌って、
      無茶苦茶偏食じゃないですか、子供っぽいのは師匠です!」
  クロス「やれやれ。お前も悪い癖がついたもんだ。
      ひねてた頃の方がかわいげあったな」
  アレン「…それ、どういう意味ですか?」
  クロス「素直じゃねぇって事だ」
  アレン「えー。それ、自分じゃないですかー」
  クロス「…バーカ。全然解ってねぇな」

4,アレン「ついでに明日のパンも買っておきましょうか。
      ここのはいつも焼き立てでおいしいんですよ」
  クロス「デニッシュとか甘い奴は止めろよ。
      皿を拭く料理に合う奴にしろ」
  アレン「じゃ、料理は赤ワインで煮込んだシチューとかがいいでしょうか?
      ハロウィーンだから、血をイメージした奴とか。
      栗やカボチャの種をあしらったパンもおいしそうですよ」

5,クロス「料理は任せるから好きにしろ」
  アレン「任せると言われると却って困っちゃうんですよー」
      
      (うーん、どれにしよう。
      それより奥のケーキが気になるなぁ…。
      一緒に買っちゃダメかなぁ。
      でも…怒られそうだし〜)

6,クロス「そこのマロンケーキ、1ホールくれ」
  店員 「ありがとうございます」

  アレン「師匠、いいんですか?!」
  クロス「何がだ?」
  アレン「だって、師匠が自分からお金出してケーキ買うなんて!!!」
  クロス「俺が金を払うのがそんなに珍しいのか?」
  アレン「珍しいに決まってるじゃないですか!!
      というか、ちゃんと自分の財布持ってたんですね。
      いつも僕に払わせるか、人にたかるから持ってないかと
      思ってました」
  クロス「殺すぞ、クソガキ。
      俺がいくら稼いでると思ってる。
      お前に払わせるのは、単に俺が払う気がないからだ」
  アレン「それって、威張って言う事ですか〜?」
  クロス「それにこれは女の為に買ってやったケーキだ。
      残念だったな、馬鹿弟子クン」
  アレン「えっ? あー、そう。そうですよね」

  クロス「残念そうだな〜、アレン」
  アレン「ぜーーーんぜん!!」

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