「ハロウィーン・パーティ」9



1,クロス「お前、このパーティで知り合いが…いや、友人が出来たか?」
  アレン「え?」
  クロス「この一晩、あんだけの人間に囲まれて、お前は何人か次に繋がる
      繋がりを作ったか?
      この社交の場でそういう動きを何かやったのか、ええ?」
  アレン「……いえ」
  クロス「何でだ? お前は俺の代わりに色々客の接待やお膳立てもして、
      喋ったり、親しくなる機会などいくらでもあった筈だ。
      それで何故、知人くらいは作らない?」
  アレン「だって、みんな大人ばかりだし、師匠のご友人で…」



2,クロス「そういう事は関係ねぇだろう。
      俺の友人だろうが、知人だろうが、何の遠慮がある。
      積極的に知り合いや情報源を作って何が悪い。
      仮にも弁護士になる気なら、それがどんなに大事か気づかない訳ないだろうが」
  アレン「……………」
  クロス「お前は全然社交的じゃねぇ。

      パーティは確かに成功した。
      この短時間でお前はそれをやってのけられる頭脳も行動力も持っている。
      大人であれ、身分がどうであれ、表面的なつき合いならお前はうまくやれる。

      けどな、お前は人間がコワイ。苦手だ。 違うか?」

3,アレン「…僕を試したんですか?」
  クロス「お前は色々背負っちまったからな。
      そのせいで、人付き合いで何処か一線引くのも解る。
      
      お前は優秀だ。
      勉強だけしてれば、司法試験にも簡単に受かるだろう。
      だが、このままストレートに弁護士になるのがいい事とは
      俺は思わん。
      マナの事があるから、弁護士を目指すのもいいさ。
      どうせお前が18歳になれば、俺の保護免責も消える。
      その時、弁護士の資格を持ってる方が都合がいい。

      だがな、マナはこんな道だけを示す為にお前を救ったんじゃない。
      お前には他の生き方もある。
      それを知ってからでも遅くはあるまい」



4,アレン「……い、嫌ですっ!」
  クロス「アレン」
  アレン「嫌ですっ! 嫌ですっ! 別の道なんてないっ!!
      僕はマナを殺した!! 僕はマナを殺したんだっ!!
      他の道なんか要りませんっ! そんなもの欲しくないっ!

      だから、師匠と一緒にいたい! 師匠の元で弁護士になりたいんです!
      何処にも行きたくなんかありませんっ!
      ここにいさせて下さい。お願いですっ!」

  クロス「……お前は混乱してる」
  アレン「してません! 僕はただ…」
  クロス「他の事はどうでもいいが、マナをダシにして、俺に縋るのだけは止めろ」
  アレン「ダシだなんて思ってません。マナをそんな風に使うなんて、絶対っ!
      僕は……多分、いえ、僕はきっと師匠の事…好きだから…」
  クロス「………。混乱してんだ、お前は。
      じゃ、こっち来い。お前の覚悟ってものを見せろ」
  アレン「…はい?」

5,クロス「この部屋のものを何に使うか知ってるよな、お前」
  アレン「えっ?! あ、あの…何となく…/////」
  クロス「やっぱりガキだな」
  アレン「違いますっ! 道具なんか使った事ないだけですっ!///」
  クロス「まぁいいさ。
      お前、俺が今まで弟子を取った事がないのは知ってるよな。
      俺は正直、肉体関係のない奴と一緒に暮らした事がねぇ。
      女とだけだ。

      だから…解るだろ?」
  アレン「あ……の、するんですか?」
  クロス「さぁ、な」

6、クロス「おいおい、いきなり脱がそうとは随分積極的だな」
  アレン「だって、するんでしょ? バカにしないで下さい!
      …僕、師匠の事…好きですから…だから…」
  クロス「そうムキになんなよ、ガキ。
      がっつくな。相手をその気にさせなきゃ、
      こういうのは面白くねぇだろ?
      まずは酒でも用意しろ、馬鹿弟子」
  アレン「…は、はぁ」

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