『風邪を引いた日 2』



9 アレンたんの作ったごはんを二人で食べています。
  神田 「……? ちょっと塩味がキツクないか?」
  アレン「そうですか? そうは思わないけど」
  神田 「少し生臭いし。かつおぶしは沸騰直前に出せって言ったろ。
      だしの取り方失敗したな。
      味見してねぇだろ、お前」
  アレン「ちゃんとしましたって。
      ただ、まだ和食ってよく解らないから。
      神田の言う「まったり」とか「ほんのり」って微妙過ぎます。
      こんぶとかかつおぶしとか、出汁も使い方が解りにくいし」
  神田 「だから、普通にお前の作れる料理でいいじゃねぇか」
  アレン「早く和食を覚えたいんですよ。
      義母さんに習いに行きたいけど、神田がダメって言うから」
  神田 「無理する事ねぇんだよ。
      ま、食えねぇ事はねぇから」
  アレン「チェッ、ひどいなぁ。ねぇ、ティム」


  
10 ジャグジーで愛を語らっていた二人です。

  アレン「僕、逆上せちゃいそうです。先に上がりますね」
  神田 「なんだ、もうギブアップか?」
  アレン「神田に付き合ってると身がもちませんよ」
  神田 「……お前、本当に顔が赤いぞ。どうした?」
  アレン「……そうですか? 大したことないですって」
     
      (ホントにちょっとだるいなぁ。
      風邪、引いたかも)

  レックナートの顔を思い出して、ちょっと怖くなるアレンたん。
  アレン(まさか、仕返しなんてしないよねぇ)



11 パジャマに着替えベッドに入るアレンたんを呆然と見ている神田。
  アレン「僕、風邪気味なんでもう寝ますね。おやすみなさい」
  神田 「なんだ、自己管理が出来てねぇな」
  
  ベッドの中で愛を確かめあいたいと思っていた神田ですが、出鼻を
  挫かれました。

  神田 「季節の変わり目なんだから、気をつけろって言ったろ?」
  アレン「すいません。気をつけてたつもりなんですけど。
      あの、神田。今晩は一緒に寝ないでくださいね。
      大事な試験の前でしょ? 風邪移ったら大変ですから」
  神田 「そんなヤワじゃねぇよ」
  アレン「でも、です。お願いです」
  神田 「……………解ったよ。チッ、早くよくなれよ。
      お前こそ、学校、忙しいんだろ? クスリは?」
  アレン「飲みましたよ」
  神田 「汗かいた時の着替えのパジャマは? お茶入れようか。
      何か欲しいものあるか? 林檎は?」
  アレン「大丈夫ですって。寝かせてください」

     (うるさいけど、こういうとこ、マナに似てるよね)

  

  
12 神田 「本当に大丈夫なのか? 熱は、そんなにないようだな」
   アレンたんを気遣う神田です。
   アレン「大丈夫です。一晩寝れば直りますよ」
   神田 「そうだな。だるかったらいつでも言えよ」
   アレン「はい。神田、おやすみなさい」
   神田 「ああ」

   アレン「……神田」
   神田 「何だ?」
   アレン「……………ごめんなさい」
   神田 「……? ああ、早く直せよ」



13 神田 「今夜は共寝はよすか」
   一人寂しくソファに丸まっている神田。

      (何か、モヤシの奴、様子がおかしかったな。
      風邪のせいか? 何か違うような気がすんな。
      あの『ごめんなさい』って言った顔がどうも引っかかる。
      チッ……あいつはどうして何でも隠して、自分で背負おうとするんだ。
      俺達、夫婦じゃねぇか )



14 神田「もやしはもやしだな・・・大丈夫かよ」
  アレンたんのことが気になって眠れないようです。

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