『風邪を引いた日 6』

29 神田 「…………ふーっ」
   アレン「神田……」
   神田 「何だ、起きたのか? 夜まで気を失ってるかと思ったぜ。
       まぁ、俺も久しぶりなんで無茶して悪かったな」
   アレン「もう…平気です」
   神田 「…………フッ。……そうみたいだな。
       またウダウダしたら、今度は溜め込んでないで言え。
       気を失うまで、またしてやるよ。
       お前みたいなのは、身体だけになっちまった方がいいみたいだからな」
   アレン「……………」
   神田 「何だ?」
   アレン「聞かないんですね。神田は聞かないままで僕といていいんですか?」
   神田 「お前の言ってる意味が分からん。

       聞いたら、何か変わるのか?
       お前の気持ちとか、俺の気持ちとか。
       俺が好きになったのは、今のお前だ。だったら、それでいいじゃねぇか。
       俺は難しい事、考えるの面倒臭ぇんだ。

       ジロジロ見てんじゃねぇよ、服くらい着せろ。風邪引くだろうが」
   アレン「あっ、はい。すいません!

       でも、神田は風邪なんか引かないんじゃないですか?」
   神田 「殴るぞ、手前。
       さっさとタオルくらい持ってこい、バカ」
   アレン「はい(笑)」

   神田 (………どうやら、抜けたな(微笑)



30 アレン「神田」
   神田 「何だ」
   アレン「好きです。死ぬほど、好きです。あなたが」
   神田 「解ってるよ、バカ」
   アレン「結婚したら、恋愛って終わりなんだと思ってたんです。
       それでめでたしめでたしで、二人はいつまでも幸せなんだって」
   神田 「……………どっから、そーゆーおめでたい考えになるんだ。
       まだ、始まったばっかりだろうが、俺達」
   アレン「そうですよね。そうなんだ。どうして僕、安心してたのかな。
       何か今更になって気づくなんて、変ですね。
       夢くらいで、こんなに臆病になるなんて…。ちょっと意外で」
   神田 「意外にじゃなくて、無茶苦茶臆病だろうが、手前は。
       いっつもビクビクビクビクしやがって、バカが」
   アレン「また、バカって言う」
   神田 「バカだろうが」
   アレン「でも、好きです」
   神田 「バカ」
   アレン「結婚したら、もうこれ以上神田の事、好きにならないって思ってたのに、
       何だかもっともっと好きになってくなんて、変だ。
       変て、思いませんか?」
   神田 「……それって、何かムカツクんだが」
   アレン「変だけど、でも、何か嬉しいですよね、そういうの」
   神田 「はぁ?」
   アレン「僕、ずっと神田の事、もっともっと好きになっていける。
       来年の僕はきっと今よりも神田の事好きです」
   神田 「んー。じゃ、結婚した時の俺とは「適当」に好きだったのか」
   アレン「そんな事、ないですよ!
       好きでなかったら、あんな事したくならないでしょ?
       でも、普通に神田を好きなのも、特別に神田を好きってのも、
       きっと大した違いはないように思うんです。僕の中では。
       だって、僕は多分、神田でないと、他の誰でも駄目なように思うんです」
   神田 「……………何か、お前、恥ずかしい事言うな、もう///」
   アレン「恥ずかしいですか?」
   神田 「つき合ってらんねー。もう寝るぞ」
   アレン「僕、真面目に話してるのに」
   神田 「そんな時はな」

   神田、アレンの唇を塞ぐ。

   神田 「これでいいんだよ」
   アレン「……………///ズル…」

   神田 「行くぞ」
   
   アレン、神田を捕まえて、自分から唇を塞ぐ。

   神田 「……………」
   アレン「………これでいいんでしょ?」
   
   神田。肩をすくめる。
   アレン、笑い返す。

   もう一度キス。

31 おやすみなさい。


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