『Happy Wedding!』2
7 父 「お前には過ぎた嫁だ。大切にしろよ」
神田 「わかってるよ」
父 「それで孫はいつ連れてくるんだ」
神田 「……せっかちも大概にしろよ。何でもかんでもせかしやがって。
んなに早く出来る訳ねぇだろ」
父 「子作りなんてのは回数じゃねぇよ。
欲しくないのに一回で出来たり、欲しいと却って出来なかったりするもんだ。
お前はやる気だけは満々みてぇだがな。
嬉しいからって、花嫁の目の下にクマがあるのは感心しねぇぜ」
神田 「うるせぇな。夫婦の事に口出しすんなよ」
父 「ちっ、生意気言いやがって。
一つ助言をしといてやる。
ガキが欲しけりゃ、何日かご無沙汰してみるんだな。
そうすりゃナニが濃くなって孕みやすくなる」
神田 「こういう席でする助言かよ」
父 「俺としてはマジな話題だぜ。俺の孫なんだからな。
お前らが学業で忙しいんなら、俺んちで育ててもいいぜ」
神田 「そういう話をモヤシにしやがったらつまみ出すぞ!」
リナリー(うえ〜ん、私、女の子なのに。居たたまれないよ、兄さん。
アレン君が神田だらけってコワイって言ってたの解るなぁ)
8 リナリーの心を込めた演奏に、皆拍手をしています。
アレン 「リナリー、ありがとうございます。
凄くステキな演奏でした」
リナリー 「うん、ありがとう、アレン君。
アレン君もこれからもの凄くもの凄く大変だろうけど頑張ってね。
つらかったら相談してね。何でも言って。無理しないで。
うちに泊まりに来てもいいのよ。
私、応援してるから!」
アレン 「は? はい、ありがとうございます」
9 葉月 「この後、母さんが家で食事をしようと言っていた。
アレンに食べさせるから腕を振るうってさ」
アレン「本当?楽しみ。お母さんの料理って凄くおいしいよね」
本当は早く二人きりになりたい神田ですが、
アレンたんはエサに釣られてしまいました。
葉月 「最近、余りうちに来ないけど何でだ、アレン」
アレン「あ、ごめんね。学校の準備とかサークルとか忙しくて」
葉月 「でも、少しくらい時間取れるだろ?」
アレン「うん、そうだね。
そうだ。今度、うちで花火するから来ない?」
葉月 「…それもいいけどな。
週末、近所の神社でお祭りやるんだけど、一緒に行かねぇ?」
アレン「え? うーん、でも、神田ともう約束してるし」
葉月 「兄貴は兄貴として、別に行けばいいだろ?」
神田 「葉月、俺の女房に色目使ってんじゃねぇぞ。
ぶっ殺されたいか」
葉月 「うるせぇな。義姉さんと俺が話して何が悪いんだよ。
それとも兄貴はアレンに首輪でもつけてるつもりかよ。
もっとアレンを大事にしたらどうだ」
神田 「お前みてぇな色惚けガキにとやかく言われる筋合いはねぇや。
刻まれてぇか!」
葉月 「いつまでも兄貴面してんじゃねぇよ!」
アレン「まぁまぁ、兄弟ケンカは程々にして、そろそろケーキでも切りませんか?」(ニコ)
神田 「誕生日ケーキじゃあるまいし、ケーキ入刀をそんなに軽く言うんじゃねぇよ、モヤシ。
……ちっ、まぁいい。命拾いしたな、葉月」
葉月 「フン」
リナリー(もう、ラビったら何処行っちゃったのー?
いつの間にかいないんだからー)
相変わらず無言で聞き耳を立てている母、弥生。
いつも何処でも修羅の家(笑)
10 初めての共同作業のケーキ入刀も終え、みんなに幸せのおすそ分けです。
父 「リナリー、今日はありがとう。素晴らしい演奏だったよ」
リナリー「二人をお祝いしたかったから、喜んでもらえて嬉しいです」
葉月 「このケーキ、母さんの力作だぜ。オレも飾りつけを手伝った」
神田 「お前が?まぁよく出来てるんじゃねぇか」
葉月 「アレンを喜ばせたかったからな。
兄貴を喜ばせようと思ったんじゃねぇからな」
神田 「解ってるさ、んな事は。
お前、イチゴ好きだったな。大きいの取れよ」
葉月 「ああ、サンキューv」
アレン「はい、葉月君」
リナリー(…仲が悪いって訳でもないのか。
口が荒っぽいだけで、あれが普通なのね。
ホント、色んな家庭があるわよね、兄さん)
11 リナリー「アレン君、神田、今日はお天気も良くてステキなお式になったわね」
アレン「ええ」
神田 「まぁ、そんなに悪くはなかったな」
アレン「ハハハ、ホント、神田って素直にとてもよかったって言えないんですね」
リナリー「そうね。普通に言えばいいのに」
神田 「お前、さっき俺が素直だと気持ち悪いって言ったじゃねぇか」
アレン「そうですよ。神田はいつだって神田ですもん。
だから、僕は安心してられます。神田の側はいつも同じ風が吹いてるって」
神田 「……………」
リナリー「あら、神田って山のお天気みたいに変わりやすいと思うけど」
葉月 「つーか、いっつも機嫌悪いよな」
神田 「うるせーよ、手前ら」
アレン「でも、それならそれで解りやすいじゃないですか。
それに山が晴れると、凄く空気が澄んでるんですよね」
リナリー「……んー、なーんか、やっぱりノロけられてるのかな、それって」
アレン「え?//////」
神田 「モヤシ、お前も一々反応すんなよ、バカ
リナリー、ピアノすまなかったな」
リナリー「どういたしまして。 二人ともお幸せにね。
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