『葉月君と僕』 4
20 葉月 「アレンにこうしてもらえるなんて夢みたいだ」
アレン「フフ、いっそ耳掃除してあげましょうか?」
葉月 「いっ、いらねぇよ///。別にっ!」
アレン「葉月君はかわいいなぁ」
葉月 「………チェッ、ガキ扱いすんなよ」
21 葉月 「アレンの膝って気持ちいいな」
アレン「そう?」
葉月 「暖たけぇ。このまま寝ちまいそうだ」
アレン「寝たっていいですよ。
神田が来たら、起こしてあげますから」
葉月 「……兄貴、シャワーで溺れてくんねぇかな」
アレン「もう、そんな事言って…」
葉月 「…あのさ」
アレン「何?」
葉月 「撫でてくんねぇ?」
アレン「こう?」
葉月 「ああ……」
アレン「葉月君て、猫みたいですね。髪の毛も神田そっくりだ」
葉月 「アレン、あんたの手……優しいな。
何でそんなに優しいんだよ」
22 アレンの膝枕で至福の時を過ごす葉月。
葉月 「……ずっとこうしてたいぜ…」
アレン、微笑んでいる。
葉月 「兄貴は疑うけど、俺はホントにこれでいいんだ。
アレンの笑顔を見て、側にいられるだけで充分なんだ。
俺って、ガキだよな?」
アレン「僕はそんな葉月君が大好きですよ?」
葉月 「うん……俺も好き…。
きっとアレンより好きな奴なんかできねぇよ」
アレン「出来ますよ、きっと。
誰より大事な人が。
僕だって……二度とそんな人には出会わないと思ったけど、
師匠にも……。
そして、 ちゃんと神田に会えましたから」
葉月 「いたの?…兄貴の前に」
アレン、笑ってるだけ。
23 アレンの顔をじっと見つめる葉月。
葉月 「あのさ……」
アレン「?」
葉月 「ちょっと触っていいか?」
アレン「僕を?」
葉月 「フ……変な事しねぇよ。
ちょっと顔、触りてぇだけ」
アレン「……いいですよ」
葉月、ゆっくり手を伸ばして、アレンの頬を撫でる。
そっと壊れ物に触るように。葉月 「柔らかくて、あったかいな、アレンは」
アレン「……………」
葉月 「……義姉さ…ん」
24 葉月 「………もう帰らねぇと」
アレン「いつでも甘えてくださいね」
葉月 「……やめとく」
アレン「……………?」
葉月 「やっぱり、俺、つけ上がっちまうから。
ガキだからさ。訳解らんなくなっちまう」
アレン「葉月君」
葉月 「じゃ、な」
アレン「待ってて下さい。神田、呼んできますから。
独りで帰っちゃ駄目ですよ?」
浴室へ行ってしまうアレン。
その後ろ姿を見送って葉月 「やっぱ無理だ。絶対。
気持ちが消えねぇ……」
アレンの頬に触れた手を見下ろす。
葉月 「チクショウ」
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