「僕の背中には羽がある」1

1 ある日、神田の家を訪れる者がいました。
  神田が『もやし』と呼んでいるアレンたんです。

  アレン「今日から君の妻のアレン・ウォーカーです」

  いきなり告げられる衝撃の科白に、神田は固まってしまいました。
  神田「あぁ?何だと?」



2 アレン「忘れたとは言わせませんよ?先日のリナリーの
      誕生パーティーで、僕を奥さんにしてくれるって言った
      じゃないですか・・・だから僕、寮も引き払って来たんです」

  神田(・・・俺としたことが、そんなこと言ったのか?あン時はかなり
     酔いが回っていたからな・・・マズイ覚えてねぇ)

  うろたえる神田に、アレンたんは不安そうな顔をしています。

  神田(寮を引き払ったって言ったな、行くところがないんだな)
     「わかった。男に二言はねぇ。取り合えず家へ入れ」

  自分が覚えていないからと、アレンたんを路頭に迷わせるわけには
  いかないと、腹を括ったようです。

  アレン「ありがとうございます」



3 アレンたんが神田の家に到着して、暫くしたらラビとリナリーが
  やって来ました。

  ラビ  「うまくいったか?」
  アレン 「はい」
  リナリー「神田には少しぐらい強引に事を運ばないと、先に
       進まないのよ」
  アレン 「お二人ともアドバイスありがとうございました」
  ラビ  「まぁ、これからだかんな。頑張れよ」
  アレン 「はいっ!!」



4 3人がなにやらドス黒い雰囲気で話をしていると、神田も
  出てきました。

  神田 「ラビとリナリーじゃねえか。来てたのか」
  ラビ 「おぅ」
  神田 「今日、二人でコンサートに行くとか言ってなかったか?」
  ラビ 「ああ、あれね。開演まで少し時間があったんさ。それで
     ちょっとユウん家に寄ってみたら、アレンがいるじゃん?
     どしたの?」

  アレンに知恵をつけたのに、素知らぬ振りのラビです。

  アレン 「今日から、僕、神田の妻なんです」
  リナリー「へぇ、アレン君、神田、おめでとう」
  リナリーも白々しくお祝いの言葉を二人に告げました。
  3人にダマされているとは全く気付いていない神田です。

  神田  「・・・・・・ああ」
  逃げ道は完全に断たれました。
  『妻じゃねぇ』とか『結婚なんて知るか』とは言えない神田なの
  でした。結局、神田もアレンたんのことは憎からず思っているのです。



5 神田 「・・・その、なんだな、この前のリナリーの誕生パーティーで
      俺は何かしでかしてないか?」
  ラビ 「ん?ああ、アレンのこと熱烈に口説いていたさ。もしかして
      覚えていない?」
  神田 「ああ」
  ラビ 「アレンにはそのこと言わないほうがいいさ。嬉しそうに
      してたから」

  心の中で笑いを堪えながら、幼馴染をからかうネタが出来たと
  喜ぶラビでした。



6 せっせと荷解きをするアレンたんです。
  アレン「神田と暮らせるなんて思わなかったなあ。あの二人に
      感謝、感謝ですね」



7 アレンたんの専攻は工学系です。引越ししてもすぐにお勉強。
  担当教授はクロス・マリアンという赤毛の天才科学者です。
  かなり強烈な性格で、アレンたんはなにかと苦労をしています。



8 アレン「奥さんらしいことをしなくちゃ。まずはご飯ですね」
  でも単に自分のお腹が空いているアレンたんなのです。



9 二人っきりの初めてのディナーです。
  アレン「僕、あんまり料理したことなくて・・・お口に合いますか?」
  神田 「ああ」
  アレン「良かった」



10 神田 「まだ、一緒に寝る気はねぇからな。ソファででも寝てろ」
   アレン「冷たいなあ。僕達夫婦なのに」
   神田 「結婚はしてねぇだろ」

続く

いきなり新展開が始まりましたが、スパコミに出す予定のシム日記補完編「僕の背中には羽がある」の出だしです。(表紙はこれ
今、連載している神アレ日記を元に小説化しようという事になったのですが、元のへたれ神田だと、出会いから結婚までに、20Pはかかるんじゃないかと悶々してたら、あおいちゃんが「こうすればどう?」と新展開を送ってくれました。
(だから、阿佐ヶ谷はノータッチなのじゃ)
なので、この後の展開は色々あってから「神田一家に挨拶に行こう」に続く事になります。

しかし、画像を使えれば説明が楽なのに、小説って面倒臭いのぉ(泣)
書くの全部、俺だし。

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