『結婚初日』
１ 気分も盛り上がったところで、熱い初夜を迎えた二人。
運動（？）後、食事をしていたら、いつのまにか弟葉月が来ていました。
神田 「モヤシ、身体は大丈夫か？ ちょっとキツクないか？」
アレン「大丈夫ですよ、これ位………あなたｖ」
神田 「あっ、あなたって、おい////」
アレン「だっ、だって、僕たち結婚したんですから、そういうんじゃないですか？」
神田 「そ、そりゃ、そうだがな………ちょ、ちょっと実感湧かねぇし。
やっぱりやめようぜ、それ」
アレン「じゃ、何て呼ぶんですか？ お父さん？ パパ？」
神田 「どっ、どっちもやめろ！ 鳥肌が立つ！」
アレン「何だかなぁ。じゃ、どうするんですか？」
神田 「前のままでいいじゃねぇか！」
アレン「そうですけど……何だか夫婦じゃないみたいだなぁ」
神田 「いつか馴染んできたら、そん時でいいだろ？」
アレン「じゃ、その時何て呼びますか？」
神田 「それはその時、考えればいいじゃねぇか」
アレン「いいですよ。
じゃ、せめて僕の事、モヤシじゃなくてアレンて呼んでくれませんか？」
神田 「モヤシでいいじゃねぇか」
アレン「でも、モヤシってかっこ悪い…。
ラビだったら、ちゃんとアレンて呼んでくれるのに」
神田 「ウサギ野郎なら、お前をハニーとか、マイ・スイートとか、キャンディとか、
耳が腐る呼び方で呼ぶぜ。
俺とあいつを比較するなよ、モヤシ」
アレン「そうですけど。今、改めなかったら一生モヤシ呼ばわりするんでしょ？」
神田 「モヤシでいいじゃねぇか。似合ってるぜ。
それに（耳元で）ちゃんとアノ時はアレンって呼んでるだろ？」
アレン「//////。バッ、バカっ！
もう！ 普段も普通に呼んで欲しいんですっ！」
神田 「面倒臭ぇ」
（名前呼ぶだけであんなに感じるのに勿体ねぇぜ）
弟 「おい、いちゃついてないで、オレにも気付けよ。バカ兄貴」
神田 「何しに来たんだ。邪魔すんなよ」
アレン「あっ、ごめんなさい！ 気づかなくて！
こんにちは、初めまして。僕、アレン＝ウォーカーです」
神田 「神田アレン、だろ」
アレン「あっ、ごめんなさい。馴れなくて///」
弟 「……………」
神田 「葉月、挨拶しねぇか！」
弟 「あ？ ああっ、すまねぇ。
…………ども、葉月で…す」
神田 「何だ、なってねぇな、おい」
弟 「うるせぇんだよ、バカ兄貴」
アレン「ちょっ、ちょっとやめて下さい、二人とも。
葉月君も学生さん？ 中学生？
やっぱり神田にそっくりなんだ。
でも、何だかかわいいなぁ」
弟 「うっ、うるせぇな！ かわいくねぇよ、モヤシ！」
神田 「おいっ！ 何て口の利き方だよ！
それにモヤシをモヤシ呼ばわりすんじゃねぇ！」
アレン「……神田、それって日本語として変です」
神田 「お前をモヤシと呼んでいいのは俺だけだ！」
アレン「どうでしょ？ 僕、弟君ならモヤシと呼ばれても
何だか腹立たないんですけど」
弟 「えっ？///// そっ、そうかよっ。
見ろ、バカ兄貴！」
神田 「手前、もう帰れよ」
アレン「もう兄弟ケンカはやめて下さい。
せっかく来てくれたんだから、もう少しみんなで話しましょ？」
神田 「……………」
弟 「……………」
アレン（もう、困った人たちだなぁ）
２ 弟とアレンたん。一緒にジャグジーに入っています。
弟 「……さっきは、その悪かったな」
アレン「いえ、全然気にしてないですよ。
（弟君の方がスレてなくてかわいいなぁ）
弟君は神田と仲悪いの？」
弟 「その弟君て、やめてくんねぇ？
俺、葉月っていうんだからさ。
それに俺も『神田』だから、お前に神田って言われると変な感じだ」
アレン「ああ、ゴメン。
でも、僕も神田は神田なんだよね。
ああ、確かに呼び方って難しいね。モヤシも困るけど。
葉月君でいい？」
弟 「葉月にしてくれ。呼び捨てられた方が気が楽だ。
あんたとそんなに年齢離れてねぇんだろ？」
アレン「でも、僕、葉月君のお義姉さんになったんだから」
弟 （お義姉さん……）
アレン「僕、兄弟がいないから、凄く羨ましいし、
兄弟ってどんなだか色々教えて欲しいんだ」
弟 （お義姉さんか……。
な、何だよ、俺。何だか急に興奮してきた。
さっきも何か凄く胸が苦しくなったし）
アレン「ねぇ、兄弟ってどんなの？」
弟 「どっ、どうもしねぇよっ。兄弟ってだけで別に！
何も考えた事ねぇや」
アレン「そうだよね。それが普通の事だもんね。
でも、さっきみたいなやりとりだとケンカしたのかと思っちゃった」
弟 「あんなの、うちじゃ普通だよ。ケンカだったら殴ってるぜ」
アレン「そうなんだ。僕、兄弟ケンカした事なくて。
でも、葉月君て、ホントに神田に似てるね。
何か凄く嬉しい」
弟 「何でだよ」
アレン「だって、僕、神田の小さい頃って知らないもの。
これから一杯知ってくんだろうけど、ちょっと得したみたい」
弟 「……あんた、兄貴の事、ホントに好きなんだな」
アレン「当たり前じゃない。好きだから結婚したんだもん」
弟 「そうだよな。………そっか。
…………俺さ、もう出る。じゃな」
アレン「あ、うん。僕も出よっかな」
弟 「えっ？！//// いや、お前はゆっくりしてろよ！」
アレン「え？ あ、はい………何だろ？」
３ 弟 「アレンって写真より実物の方が断然可愛いな。羨ましいぜ」
神田「オレんだからな」
弟 「わかってるよ。
さっき充分解ったよ」
神田「さっきって、お前ら風呂場で何かやってねぇだろうな」
弟 「するかよ。
あの人はそんな人じゃねぇよ。
兄貴でも、あの人を汚したら許さねぇからな！」
神田「……………。
お前に言われんでも、んな事するかよ。
とにかく明日、家に連れてくからみんなに言っておけ」
弟 「ああ、解った」
神田「夕飯、食ってくか？」
弟 「いらねぇ。じゃな」
神田「ああ」
※神田一族には「アレン好き」という遺伝子が組み込まれています（笑）
４ 初めて二人で眠る夜です。
おやすみなさい。
