「クリスマス」2

10 一週間ほど前、母弥生がやってきました。
   弥生 「近くまで来たんで寄った。
       お前はシケた面だな。嫁は元気か?」
   神田 「相変わらずだ。
それと俺の事は余計だ」
   弥生 「子供はまだ出来ないのか?」
   神田 「んなのまだ考えてねぇよ」
   弥生 「命中率が悪いんだな、手前。
       新婚だからって、やりすぎじゃねぇのか?
       1週間程 我慢すれば、手前のも使い物になる程充分濃くなるぞ」
   神田 「玄関先でそんな話すんなよ」



11 三人でアレンたんの手料理を食べています。
   母「アレンの料理もおいしいな」
   アレン「本当ですか?嬉しいです」
   母「そうだ。今日はお前達に一足早いクリスマスプレゼントを用意したんだ」
   アレン「えっ?」
   母「クリスマスツリーを買った。もうすぐ届くはずだ」
   神田「あぁ?そんなもんいーのによ」
   母「うちの連中はツリーに興味は無いからな。飾ったことはないが、アレンは
     好きだろうと 思って買った」
   アレン「嬉しいです。どんなツリーかな?楽しみです」
   神田(俺たちも二人で選んだツリーがあるだろうがよ)



12 神田と母はなにやら料理の話で盛り上がっています。
   神田 「七面鳥の詰め物なんだがよ。何かいいアイデアないか?」
   弥生 「ハーブとナッツ類を少し混ぜるんだな。いいアクセントになる。
       それとタレに俺はオレンジのマーマレードを 少し足している。
       いい匂いになっていい」
   神田 「なるほどな」
   弥生 「ところでアレンにとっても、初めてのクリスマスだ。
       俺達と一緒に過ごさねぇか?
       いっそアレンの実家から両親を呼んでもいいぞ。部屋は充分あるし、
        一度くらい挨拶しときてぇからな」
   神田 「……いや。それに俺達は二人きりで過ごしたいんだがな」
   弥生 「そっちの邪魔はしねぇよ。イブは好きにしろ。
       ただクリスマスはアレンの誕生日だっていうじゃねぇか。
       お前達の友達も入れて、みんなで祝ってやった方がいいだろう」
   神田 「……(渋い顔)」
   弥生 「俺は構わねぇが、葉月や皐月が入れ替わり立ち替わり現れて、
       ウゼェ思いをしたくねぇなら、それ位参加しやがれ。
       お前の大事な妻かも知れないが、俺達にとっても大事な嫁なんだからな。
       友達だって、そう思うだろうよ 」
   神田 「解ったよ」


       
13 寒いので暖炉に火をつけました。



14 クリスマスといえば、やはり七面鳥の丸焼きでしょう。
   神田が切り分けています。
   アレン「すっごい、いい匂いですね!
       あれ、味がちょっといつもと違うんじゃないですか?」
   神田 「ああ、母のレシピと俺なりに工夫してみた」
   アレン「おいしい! このクランベリーのソースもおいしいです!」
   神田 「そうか」
   アレンに喜ばれると、頑張った甲斐があります。



15 二人の寝室には、二人で選んで二人で飾りつけをしたツリーが
   置かれています。
   アレンたんが神田からのプレゼントを手にとっています。
   アレン「わぁ、これが僕へのプレゼントですね!!
       嬉しいな! プレゼントなんて凄っごい久しぶりです!」
   神田 「師匠や養父はお前に何もくれなかったのか?」




16 嬉しそうに箱を持ち上げるアレンたん。
   アレン「師匠は物より態度で示す人だったんで。
       変わった面白いクリスマスでしたよ。
       …養父は一杯色んな物くれましたけどね。
       ……へへへ、何かな?」


17 プレゼントを抱きしめるアレンたんを見つめる神田。
   神田 「開けないのか?」
   アレン「嬉しすぎて、何かもったいなくて〜。
       明日までとって置きますv」
   神田 「開けろよ」
   アレン「いいでしょ?
       明日が僕の誕生日なんだから、最高の日にしたいんです」


18 アレンたんからのプレゼントを手にする神田。
   アレン「あれ、神田は開けていいんですよ?」
   神田 「俺もよそう」
   アレン「えー、開けて下さいよ。一生懸命選んだんだから」
   神田 「一緒に開けて、一緒に喜んだ方が倍嬉しいだろ?」
   アレン「…ズル…仕返しですか?」
   神田 「俺はお前と一緒に何でも感じたいんだよ。
       夫婦だろ、俺達?」
   アレン「…もう。
       ホントは嬉しいんですよ。神田って、僕が欲しい言葉や
       望んでる以上の言葉を一杯くれるんですもん」
   神田 「俺は思ってる事を言ってるだけだ」
   アレン「参っちゃうなぁ。ホントに。
       何処まであなたを好きにならせたら気がすむんですか?」  


19 思いを込めて口付けを交わします。
   神田 「そんな時はただこうすればいいんだよ」
   アレン「………神田、大好きです」
   神田 「…もう寝るか?」
   アレン「…ええ、ベッドに連れていって下さい」
   
   アレンを抱き上げて
   (おふくろの言葉を実践するのは当分お預けだな(苦笑)

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